美容皮膚科医@銀座のベルです。
みなさん、そもそもスキンケアって何のことか知ってますか?
ベル先生が分かりやすく、説明するね。
そこから自己流にするのはもちろんOK。
スキンケアって色々な説がありますよね。
友達に最高に合っているスキンケアが、あなたにも合うとは限りません。
同じ人でも年齢や環境によって、同じスキンケア法が合わなくなるなどありますよね。
なので、まず基本を学んでおくことと、応用が効くのでオススメします。
この記事はこんな人におすすめ
・スキンケアとは何なのか、基礎を学んでおきたい人
・内側からのスキンケアの睡眠、食事、ストレス、運動について知りたい人
・「そんなの知っているけどできないから困っている」という人
・美容になるべくお金をかけたくない人
・健康も気になる人
こんな最新のトピックにも触れています
・肌と腸の関係
・飲む食べるコラーゲンは効果あるのか?
・汗は肌にいいのか?
Contents
スキンケアとは何なのか?美容皮膚科医が解説
皮膚は何のためにあるのか
皮膚は私たちの体のバリアです。
もし私たちに皮膚がなければ、体の水分なくなります。他にも紫外線ダメージ・外的刺激を防ぐ、体温の調整などの役割があります
スキンケアの定義とは?
スキンケアの明確に決まった定義は、実はありません。
だから万人に100点満点のスキンケアってないと思います。
ここでは、たくさんの医学書、講演会、学会、自らの経験をミックスさせて、私が考えるスキンケアを紹介します。
スキンケアとは、
「皮膚が健康な状態でいるために行うもの」
皮膚が健康で、バリア機能をしっかり持っていること。
「キレイになるためじゃないの?」と思うかもしれないですが、
健康な状態=老けにくい、美の土台
です。
スキンケアの実際
実際には、「内側からのスキンケア」と「外側からのスキンケア」に大きく分けられます。
内側からのスキンケア
・睡眠をしっかりとる
・バランスのとれた食事
・ストレスを溜めない
・適度な運動
※タバコは美容にも健康にも最悪
※サプリメントに関しては別記事
(当たり前の内容ですいません。それも踏まえて、後述します)
外側からのスキンケア
・清潔にする
・保湿をする
・紫外線から守る
・ターンオーバーを整える
【注意点:擦らない】
今回は、内側からのスキンケアについて。
そこまでお金もかからないという意味では、手軽に試しやすいです。
内側からのスキンケア
正直に言います。
という内容です。
そしてこうゆう生活習慣と美容に関しては、エビデンスうんぬんの研究はほぼない。健康はあるけどね。
そんな気持ちに寄り添いながら、リアルで気をつけられそうな程度に書きますね。
規則正しく睡眠をとりましょう
お肌のゴールデンアワーは夜10時から2時という説は誰もが聞いたことあると思います。
実は最近はその説は、もう古いです。
10時に寝るとか無理だから嬉しい!
睡眠が美容にいいと言われてる理由として、成長ホルモンがよく言われていました。
成長ホルモンは、眠りについて初めの3時間で、深い眠りの特にたくさんでます。
大切なのは寝る時間帯よりも、睡眠の質とトータルの時間。
時間も諸説ありますが、7ー8時間が最も今のところ良さそうです。
良質な睡眠は、ホルモンの働きより純粋に疲労が抜けるから、肌にいい気もします。
睡眠と関連が深いメラトニンは夜にでるので、夜に寝るのがやっぱり一番睡眠の質が上がります。
昼夜逆転などでは睡眠の質も下がるので、良識のある時間に寝ましょう。
結論:夜なら寝る時間にはこだわらなくてもいいので、トータル7−8時間寝よう
睡眠時間が少ないと、太りやすいと言うのはエビデンスあります。
トライアスロンやマラソンなど持久力系のスポーツには、長時間の睡眠がパフォーマンスを上げると言うエビデンスもあり
バランスのとれた食事
食事に関しても、気にしすぎると幸福度が下がりますよね。
人それぞれどのくらいまでが、ストレスなくできるかは違います。
取り入れられる範囲内で、楽しんでやれる範囲でやるのがいいんじゃないかというのが私の意見。
万能なものはないので、バランスが大事
これも当たり前と言っちゃ、そうなんですけれど、いろんな栄養素をバランス良く取ることが大切。
「これだけで食べておけば大丈夫」
みたいなものは、もちろん食品であれサプリであれ、存在しません。
色んな栄養素が、うまく補い合ってチームプレイで働いてます。
あなどれない腸内環境とお肌の関係
最近では腸内環境とお肌の関連が、医学会でも注目されています。
正直そんなに関係かないと思っていたのです、びっくり。
2019年8月に出版された美容皮膚医学BEAUTY#9と医学誌では、
便秘外来をされている先生が、「便秘が改善した患者さんが、しばしば肌状態の改善を口にする」と言っています。
エビデンスは残念ながらまだないですが、抗加齢医学会でも「腸とお肌の関係」は話題のトピックスです。
今のところ有力なメカニズムは、こんな感じ。
便秘になり、腸内細菌が腐った物質を出す
↓
血流に乗って皮膚にたどり着く
↓
お肌のターンオーバーを遅くする(新陳代謝が悪くなる)
便秘お治療については「慢性便秘診療ガイドライン」があるので、気になる人はそちらを参照。
ちなみに食生活による治療は、エビデンスとしてそこまでだけど、ほかにもメリットありそうだから、そこそこオススメって感じらしいです。
実際に何を食べればいいの?
結局、食事に関しては、色んな情報がありすぎて私も混乱します。
最新データーも色々ありすぎて、しかも結構すぐに正しくないって否定され、出ては消えの繰り返しです。正直、追いきれません。
(ニキビに関しては最近色々、しっかりした研究もされているので、また後日書きます。)
私からのオススメの方法
・「この事実は、今後ももう変わらなさそうだな」というものだけ、知識として身につける
・自分の中で「これを食べると肌荒れするな」、というものは避ける
・「健康にいい食事=肌にもいい、老けにくい」という考え
・ストレスのかからない範囲で実践する
「健康にも肌にもいい食事」として覚えておいて欲しいのは、ハーバード大学が出しているこの食事の絵!
日本語で解説するとこんな感じです。
・なるべくたくさんの種類の野菜やフルーツを食べるー1日の食事の半分
・炭水化物は、全粒穀物を選ぶー1日の食事の1/4
炭水化物は摂取量よりも、どの種類を取るかが大事。
◎全粒粉のパン、キアヌ、オーツ、玄米、大麦
△白米、白いパン
・健康的なタンパク質ー1日の食事の1/4
◎魚、鶏肉、豆、ナッツ
△赤肉、チーズ
×ベーコンやハムなどの加工肉
・健康的な油ー適度に取る(低脂質≠健康的)
◎オリーブオイル、キャノーラオイル、大豆オイル、コーンオイル、ピーナッツオイル
△バター
×トランス脂肪酸
・水・お茶・コーヒーを飲む(砂糖を極力控える)
△牛乳などの乳製品飲料はコップ1−2杯/日
×ジュースなど糖分入りの飲料は小さいコップ1杯/日
・アクティブに動きましょう
知っておいて、できる範囲で意識するだけでも、何も知らないよりは違ってくると思います。
ストレスない範囲でいいかなと思います。私もこれ書きながら、松坂牛弁当を食べましたw
おまけ:コラーゲンを口らかとっても、実は効くらしい
私が学生の頃などは、「飲むコラーゲンが皮膚に影響することはありえない」と習いました。
「コラーゲンが消化される際に、アミノ酸という小さい粒に分解されちゃうので、そりゃそうだよな。よく飲むコラーゲンにあんな大金払うよね。」、とクラスメイトとあざ笑っていたわけです。
なんと2019年のJ Drug Dermatologyという雑誌で、
コラーゲンを口から取ることで、皮膚の水分量が上がる、ハリ感が出る
と報告されました。
しかも肌に傷がある時はさらに効果があるので、レーザー治療後には良さそうです。
(2015年にも、褥瘡予防ガイドラインにコラーゲンが追加されています)
初めて聞いた時も、「どうせショボい論文なんだろ」と思ったけど、ちゃんとしてる論文で衝撃。
もうね、これは世界的にも、「飲むコラーゲンは効果あり」ってのが常識になると思います。
どうして効果があるかというと、こんな説が有力
コラーゲンは確かに消化管で分解される
↓
その分解された物質が真皮のコラーゲンを作る細胞を刺激するらしい(線維芽細胞)
↓
コラーゲンをつくる細胞がコラーゲンをたくさんつくる
(ちなみにさっきの論文は深掘りもうちょっとすると、飲むコラーゲンも色々なタイプがあるんです。まぁどのタイプを使ったとしても、肌の水分量とハリ感は出そうです。セルライトに効くって説もあります。)
私も強めの治療した後だけでも、飲んでみようかなーと思います。
そのほかオススメのサプリメントなどは長くなるので、また別途書きます。
ストレスを溜めない生活
こればかりは、私が「なるべくストレス貯めないようにリラックスした時間作ってね」と言ったところでどうしようもない気がする。
アロマ焚いてね、瞑想してね、とか色々ありますが、私が一番効果があった方法をご紹介。
効果がある人は一部だと思いますが、誰かの人生が楽になれば嬉しいな。
私の場合は、この2つで、かなりストレス減った暮らしをしています。
・どうしようもないストレス環境からは逃げる(ブラック企業や嫌な人など)
・そのほかの事は、ポジティブな考え方を身につけてストレスを感じにくくする
ポジティブになる上で、「なるほどなー」と思ったのはTEDtalksのこのスピーチ。
自分に起こる物事をコントロールすることはできないけど、自分の受け止め方は変えられるんですよね。
演者の話もすっごい面白いし、具体的にどうやってポジティブな考え方の人になるかを教えてくれます。ぜひ一度聴いてほしい!
適度な運動
運動する事で、血流がよくなる、汗をかくため、スキンケアにつながります。
皮膚だけじゃなく、体型が引き締まる、体全体のアンチエイジングになるなど美容にはかかせないのが運動です。
でも実際にどのくらいの量や頻度で何の運動を知ればいいかっていうのは、まだ結論出ていないし、今後もどんどん変わりそうです。
今回は運動をするうえで、気をつけてほしいことを解説します。
汗は悪者ではない、美容にいい可能性も秘めている
昔はアトピーの患者さんには、なるべく汗をかかないように、と指導していました。
あせもなど汗によっておきるものもあり、汗が皮膚にいいイメージはもっていない方も多いと思います。
現在では、アトピー性皮膚炎の診療ガイドラインにも「汗をかくことを避ける必要はない」と書かれています。
汗には肌にいい成分も入っています。
・天然保湿因子(主に乳酸)
・抗菌ペプチド
汗をかいた早い段階では、肌がうるおったり悪い菌をやっつける働きがあります。
ただし汗を長時間、肌に残しておくと、汗の成分が変化して肌に悪い影響を及ぼすので注意しましょう。
紫外線ケアが定説
屋外スポーツは過酷です。でも好きならしょうがないですよね。
↓こちらを詳しく参照してください
過度な振動
ランニングなど、上下の振動が強いスポーツは、タルミにつながると主張される先生もいます。
解剖を考えると、たしかにそうだと思います。
ブラなしで走ると、胸が垂れやすいのと同じ原理です。
顔も胸と同じように靭帯が顔の脂肪を支えているので、それらが伸びっちゃってタルミにつながるのですよね、解剖学的には。
こだわりがない人は、なるべく揺れないスポーツを選ぶのがいいと思います。
ランニングなど好きな人はしょうがないので、ほかの人よりタルミケアをがんばりましょう←ずっと長距離ランナーの私も苦労してます
追い込みすぎる
フルマラソンなど体力の限界を超えることをしたことありますか?
死にそうになるし、終わった後もしばらく調子悪いんですよね。
激しすぎる運動は活性酸素の除去が追いつかず、逆に老けやすくなる、と言われています。
フルマラソンやトライアスロン後の採血結果は、死ぬ直前の人並みに悪いという先生もいます。
ただね、やっぱり本気でスポーツをすると精神的にも肉体的にも得られるものは、たくさんあります。
本気で追いこむことも、もちろんすごく素敵だと思います。
運動習慣が全くない人へ
とりあえず週の2ー3回、30分だけとかでもいいから、軽く汗がにじむ程度に筋トレしたらどうでしょう?
ジムとか行くのもめんどくさいと思うので、家でやるのでも十分です。
たくさん階段を使うなどでもいいと思います。
できること、続けられることをやっていきましょう。
お金がかからない内側からのスキンケアのまとめ
今回、紹介したことは生活スタイルによっては、実践は難しいかもしれないですが、ほとんどお金がかからないというメリットがあります!
そうゆう意味では手軽に試せるので、美容にあまりお金がかけれない女子は、幸福度が下がらない程度にまずここからスタートしてね。
【お金がかからない内側からのスキンケア】
・スキンケアとは、健康な肌を保つもの。美の土台作り。
・睡眠は寝る時間帯よりも質にこだわり、7時間以上寝ましょう
・食事は、ハーバード大の食事プレートを参考にしましょう
・コラーゲンを始め、サプリメントも有効
・ストレスは逃げるのもあり、ポジティブな思考も有効
・運動は適度にやるのが一番。汗はすぐ拭き取れば肌に悪くない、むしろいいかも。