レチノール使い始めました!結局、皮むけとかA反応ってなるべく起きた方がいいの?
ずっと使っていいものなの?
いざ使い始めるといろんな疑問が湧くよね。
ビタミンA(レチノール)って、トラブルが多いから、物によってはやはり専門家と相談した方がいいもののある。
穏やかめなものでも、やはり知識を得てから望むべきだと思います。
この記事を読んで分かること
・ビタミンA(レチノール)の種類と役割。
・ビタミンAの商品の強さを比べることが難しい、3つの理由
・A反応がないと、効果がないのか
・どのくらいの濃度をどのくらい続けるのがいいのか。
↓自分で言うのもなんですが、この記事なかなかよくまとまっているので、まず読んでね。
⬆︎一番の基本はこれ。読んでないと、理解しにくいかも。
ビタミンA(レチノール)の種類と強さ
ビタミンA(レチノール)の種類byエンビロン
ビタミンA好きなら、一度は見たことあるのが、こちらの図。
すっごく分かりやすく、書いてありますと思います。
医学的にも、もちろん正しいです。
ただこれはエンビロン社の一部であるAケア協会公式が、作成しているので、パルミチン酸レチノール、酢酸レチノールの良さを前面にアピールした作りになっております。
この図の解説、強調されているポイント(エンビロン的売りポイント)
・皮膚内のビタミンAは、いろんな形を行ったりきたりできる
・結局91%はパルミチン酸レチノールを始めとした、レチニルエステルと言う形で保存される。
・しかもレチニルエステルは貯蓄できる。レチノイン酸は貯蓄できない。
(以前のこの図には、レチノール⇆レチナール⇆レチノイン酸って矢印があったけど、なぜか消えている気が。)
こちらより(エンビロンよりな)ビタミンAの考えは、こんな感じ
レチニルエステルの方が、刺激感(A反応)も少ないし、結局はこの形に変換されるんだし、これをたくさん入れて貯蓄すればいい。
肌へのビタミンA貯金によって、美肌だけでなく、紫外線にも強い肌を作れるし、いいことたくさん。
ビタミンAの種類を他の文献から解説(ゼオスキン寄り)
(皮膚科医のための香化粧品入門のlessonn4より)
今度は、ビタミンAが実際に皮膚に作用する時、に重きを置いた図です。
さっきの図とはまた印象が違って、同じビタミンAを説明してるのにびっくりですよね。
ゼオスキンのビタミンAの考え方は、どちらかと言うとこちらの図に近いと思います。
この図の解説、強調されているポイント
・肌の細胞内部に入れる、そしてDNAに働きかけるのは、レチノイン酸(トレチノイン)
・レチノイン酸以外のビタミンAを塗っても、結局はレチノイン酸に変換されて作用する
・ディフェリン等も、レチノイン酸の様に働くので、乾燥・皮剥けがでる
こちらより(レチノイン酸使う時、ゼオスキン)の考え
・作用するのレチノイン酸なんだから、それ使うのが効率がいい
・攻めた方が早く効果出る。
同じビタミンAなのに、なんかさっきと印象が全然違いますよね。
結局どっちも事実で正しいんだけど、どっちを重視するかは考え方よね。
ちなみに、レチノイン酸や人工レチノールの多くは、日本では医師の処方が必要です。
他のビタミンA(レチニルエステルやレチノール、レチナール)は化粧品として売ることが、日本では法律上はできます。
ビタミンA(レチノール)の強さ、刺激感の考え方
レチノール0.5%って書いてるのが強かったから、もういや。
もっと穏やかのにしたいんだけど、エンビロン とかゼオスキンだとどれになるの?
ビタミンAの種類ごとの強さの換算は難しい!
理由を説明するね。
主に以下の3つの理由により、比較は難しいです。
そもそも濃度非表示のことが多い
結構濃度は非公開なところが多いです。
そして、ビタミンAは種類がたくさんあります。
一様、ビタミンAの国際単位IUってのが存在して、それぞれのビタミンAの強さを換算することは可能なようですが、濃度不明な場合も多く難しいです。
ビタミンAは種類によりかなり強さが違います(レチノールとレチノイン酸は100倍程度違うと言われているくらいなので)
浸透力の問題
仮にビタミンAの量が換算できて、比較できたとしましょう。
でも、どれだけの量浸透するかで、実際に感じる効果は変わります。
それは、その人の肌、商品、商品の組み合わせで変わってしまいます。
ゼオスキンの工夫
特にゼオスキンは、商品自体の浸透力に他社よりも自信があるそう(2020/5ゼオスキン公式インスタライブより)
おそらく、ARナイトリペア、スキンブライトセラムのオレオソーム化、
Wテクスチャーリペアのマイクロエマルジョン化のこと。
また、GSR(getting skin ready)と言って、スクラブやピーリング作用のあるトナーにより角質を薄くすることもすすめてます。
エンビロンの工夫
一方エンビロンもピーリング作用のあるトナーなどは、勧めています。
それ以外にも特徴的なのが、コスメティックロールキットやDFモバイルなど他の機械を使うことによって、浸透を強めるという考え方ですね。
フェルナンデス先生は、コスメティックロールキットなどのいわゆるマイクロニードル療法の第一人者らしいです。
フェルナンデス先生はまずは週1から始めて、隔日に使えるといいとおすすめしてます。人によっては毎日使えることも(2020/5月のエンビロン公式インスタライブより)
↓コスメティックロールキットに関しては、こちらをどうぞ
医者が処方するトレチノインですら、ジェルか軟膏かによって同じ濃度でも効果が変わると言われています(ジェルの方が効果もA反応も強い)
他の成分との兼ね合い
ビタミンAの刺激感を抑える可能性のある成分を加え、実際のビタミンA濃度よりも刺激感少なく使えるものもあります
例えば分かりやすいのが、エンビロン のモイスチャーシリーズとシークエンスシリーズです。
同じ番号で比較すると、シークエンスの方がビタミンA含有量が多いはずなのですが、A反応は出にくいと感じる方がいます。
推測ですが、シークエンスにはさまざななペプチドという栄養成分が入っているので、それによる影響かと。
ナビジョンも自社のレチノール商品に、トラネキサム酸を配合しています。
あとバクチオールのビタミンAのように働くけれど、刺激感の出にくい成分を併用して、効果は出しつつ、刺激を抑える工夫がされている商品もあります(REVISION社のレチノール)
ビタミンA(レチノール)がどうやって働いているのか?
ビタミンAの美肌効果の詳しいメカニズム
肌にビタミンAを塗る
↓
浸透
どれだけ浸透するかは、ビタミンAの種類だけでなく、その商品の特性、他の商品との合わせ技による
↓
肌の中で、レチノイン酸に変わる
↓
ケラチノサイトという角質の細胞にレセプターがあり、そこから細胞内に入り込む
このレセプターの数が、人それぞれ違う
細胞内に入りきれなかったビタミンAが、A反応を起こす
使い続けて慣れることで、レセプターが増えるのでA反応も楽になる
↓
レチノイン酸がケラチノサイトの核(DNAがあるところ)に作用
↓
いろんな遺伝子を活性化
↓
自分の力で肌が美しくなる
根本治療のようで素敵ですよね。
ビタミンA(レチノール)の効果は?
程よいボリュームの角質になり、潤い成分も増える
表皮の細胞も元気になる
真皮の細胞も元気になる
ってイメージです。
↓こっちのブログに細かい効果は書いてあります
ビタミンA(レチノール)によるA反応とは?
A反応の具体的な症状、時期、部位
A反応なのか、本当に肌にあってないのか、分かんなくて不安
ぶっちゃけ、かなり判断が難しい時もあるよ。
典型パターンを覚えてもらって、そうじゃなくて不安なときは皮膚科受診するしかないかな。
ビタミンA(レチノール)を使用する際に、避けては通れないのがA反応。
A反応の典型的な症状
実際に出てくる症状も様々です。
・乾燥
・赤み
・刺激感、灼熱感
・皮剥け、湿疹っぽく見える時もあり
・ニキビ
レチノイン酸はニキビの治療薬として、アメリカに用いられてます。
でも商品によっては一時的に、ニキビができやすくなると言うのは、聞きます。
特に、エンビロンのモイスチャーシリーズでは、跡の残らなさそうなくらいの軽い炎症性ニキビが一時的にできやすくなり人がいます。(ベル先生もそうでした)
レチノイン酸0.1%使っても、ニキビは出なくて乾燥だけだったのに、エンビロンだと小さいニキビがでる、というお話も他の方から聞きました。
気をつけるべきA反応様の症状
モイスチャーシリーズなど、同じ商品を3ヶ月くらい経ってもニキビできる人は、本当に合わない可能性もあります。他商品への変更をオススメします。
(元々、ニキビに悩んでいた人は、そっちの治療をしましょう)
・ジュクジュクした感じ
・腫れがひどい感じ
があるときは、かぶれている可能性もあるので、皮膚科受診を。
レチノイン酸を使用するゼオスキンセラピューティックでは、そのために経過観察として、使い始めた2週間後に診察を必須とするクリニックもあります。
私も本来は、それが正しいと思う(今はコロナだから厳しいんだけどね)
強すぎる商品を使うとどうなる?
ちなみにA反応だと思っても、あまりにもやりすぎると、炎症後色素沈着というタイプの色素沈着が残ることあります。
(まぁ放っておけば、3−6ヶ月でこれも引きます)
これらの症状は、化粧品レベルのビタミンAでは、基本的には段々と慣れてきて、楽になることが多いです。
ある程度、濃い濃度になると(人によりますが、レチノイン酸0.1%以上、レチノール1%以上など)は慣れてきても、必ずA反応が出ます。
そうゆう商品は、普段使いというより、一時的な強めの治療として捉えましょう。
A反応は薬をやめたらすぐひく?
基本的には、激しい反応が出ていても、トレチノインの場合は塗るのをストップすると3日くらいでスッと引きます。
このどれだけスッと引くかは、後述しますが、結構商品によって違います。
A反応が出やすい部位
目周り、口周り、フェイスライン、首です。
特に首は、かなり出やすいです。調子にのると炎症後色素沈着できるので注意。
イメージとしては、アトピーで湿疹ができやすい部分に出ます。
体はA反応が起きにくいと言われています(そして反応出るのに1週間くらいかかる)が、肘の内側などはかなりしっかり出ました。
まず頬とか起きにくいところで、1週間試してから粘膜周りに移行しましょう
首はかなり薄めて使ったり、1日おきとか工夫しましょう
↓どうやって、A反応を穏やかにするか?私のエンビロン のモイスチャーによるA反応の出方などは、この記事読んでくださいね
A反応は商品によって症状が出る時期、症状が違う
ビタミンAが好きなので、ここ3年で色々な商品を試しました。
そこで感じたのが、同じような成分や濃度でも(単純には比較できませんが)、A反応の出方が違うなと感じます←エビデンスないです。個人的な感想
やたら灼熱感・赤みメインで出る時もあれば、ニキビできるときもあれば、ひたすら痒い時、皮のむけ方も表現しにくいですが違うんですよね。
A反応の出る時期が違うというのは、浸透力の問題もあり、ある程度納得できます。
浸透力を高める工夫がしていあるオレオソーム化されているものは、忘れた頃にA反応出て、引くのに思いの外時間がかかることもあるようです。
そうゆう意味で、自分がレチノイン酸は割とすぐ反応が出て、割とすぐ引くので、A反応は強いけど計画が立てやすいなーと思います。
A反応がないと効果がないのか?
A反応が全然出ない!これって意味ないってこと?
めっちゃ良くある質問。笑
基本は、化粧品で普段使う分にはA反応出なくても、効果出てるから大丈夫よ。
でもガッツリ短期間で、ハイドロキノンも併用させて、シミを薄くしたい!って人はやっぱりあった方がいいよね。
A反応が全くなくても、いわゆる美肌効果はあります。
ただ、これは、その化粧品作った人の考えや、使う人が何を目指して使っているかによるんですよね。
日本でレチノイン酸と言えば、吉村先生(東大式を作った方)です。吉村先生も、レチノイン酸の使い方もターゲットごとに分けて説明されています。←比較的アグレッシブな手法
シミ治療ではなく、光老化予防をターゲットにしているエンビロン では、そもそもA反応はない方がいいと考えています。
なので、穏やかなパルミチン酸レチノールで、ステップアップシステムを採用してます。
ゼオスキンのオバジ先生は、シミの治療も含んだセラピューティックプログラムでは、皮向けを起こさせます。でも普段のデイリーPDとかでは、そこまでA反応だす感じではないです。他のやや強めの商品は2−3日に1回を推奨してますしね。
イメージとしては、こんな感じ
全体的な美肌効果(スキンレジュビネーション)には、A反応はなくてもいいと考えることが多い。A反応はあった方が、効果は早くでる。
シミ治療としては、A反応無くても効果なくはないけれども、弱くなる。基本的にはあった方が良い。
ビタミンA(レチノール)の使用方法
ビタミンA濃度はどんどんあげるべきか?
ビタミンAは使い続けるうちに、ある一定濃度までは、肌に耐性ができることはみなさん体感していると思います(だんだんA反応が起きづらくなること)。
どのくらいの濃度で維持するかは、それぞれの肌によってベスト濃度は違います。
自分で自分の肌と対話して見つける
皮膚科でもらっているなら、そこで相談する
と使いながら探っていくしかないと思います。
基本的な私の体感では、日本人だとレチノール1%、レチノイン酸で0.1%以上の濃度では、A反応が出続ける可能性が高いと思います。
いわゆる長期使用における美肌効果に関しては、こちらの論文が興味深いです。
レチノイン酸0.025%と0.1%を48週間使った結果、両者の美肌効果はあまり大差なかった。でもA反応は0.1%の方が強かったと、、、
(こちらではシミの改善に関しては、評価なしです。)
どんどん皮むきたいって人には、ちょっと衝撃の内容ですよね。
ハイドロキノンと合わせて、シミ治療も兼ねて行う際は、また結果が違ってくるかもしれないですので、悪しからず。
そしてもちろん、短期決戦の時は、強いのガッと使って剥いた方が、綺麗にはなります。
こちらの論文では、0.25%の高濃度トレチノインを使用。
4−6週間で、小じわ、色むら、肌の質感などが、著しく改善。(通常濃度のトレチノイン治療の6−12ヶ月と同じだけの効果が出たようです。)
普通よりアグレッシブだが、効果が早く出やすい分、患者さんのモチベーションが維持しやすいのをメリットとしてあげていました。
ちなみに白人は、A反応が起こりにくい(そして炎症後色素沈着のリスク低い)ので、日本人用は、当てはまらないこともあると思います。
ノルウェー人彼氏もいきなりエンビロンのモイスチャー4とAブースト2使ったけど、微塵もA反応なかった。
ビタミンA(レチノール)は、長期に使っても大丈夫なの?
私の基本的な考えは、使い続けることでA反応が無くなる商品であれば、使い続けてもいいと思います。
もちろん、これも個人差がありますし、商品によります。
シミの治療としては、耐性の関係で、一旦ストップする期間を設けた方が効果が得やすいという意見もあります。
レチノイン酸に関しては、こちらの論文で、長期に使うほど、より光老化が改善できるという報告はあります。(初期にしかA反応出ない濃度。22ヶ月使用)
また、先ほど提示したこちらの論文では、48週という長期間で、デメリットよりもメリットの美肌効果のほうが得られております。
無理して長期間、濃いビタミンAに依存すると、赤黒っぽくなる人がいます。
個人的な体感ですが、ビタミンAで皮むけた時の、つるっと感に病み付きになっちゃう人に多い気がします。
慢性炎症っぽくなるのでしょうね。
なんでも、やりすぎは良くないので、中庸を探しましょう
ビタミンA(レチノール)によるツヤ感が嫌いです、、、
美肌の定義とは🤔?
・シャイニースキン
ツルピカ艶肌
私は好きだけど、人によっては、テカリと捉える
逆に毛穴が目立ちやすくなる人もいる・フォギースキン
5歳くらいの子供の肌
霧がかかったようなホワッとマシュマロ肌
みんな毛穴が目立ちにくくなる!どっちがいいかは、好みだと私は思う
— ベル先生🇳🇴美容皮膚科医 (@drbell_sensei) November 17, 2019
ビタミンA独特の艶が、テカリみたいで嫌な人もいます。
適度な商品で続ける分には、そんな嫌らしいツヤは出ないと思いますが、気になる人もいますよね。
そうゆう場合は、別に無理して毎日ビタミンA使わなくてもいい、と私は思います。
とは言え、ビタミンAのメリットは多いので、
・1年に1−2ヶ月だけ使って、普段はビタミンA入れない
・穏やかなビタミンA商品のみ、2−3日に1回使う
とかがいいんじゃないかなと思います。