美容皮膚科医のベルです。
今日はどうやって、保湿するのがオススメか解説!
使い方など商品を買えなくても、今日から変えられる情報もお届けするのでぜひ試してください。
この記事を読んで分かること
・効果の高い保湿剤の使い方
・保湿剤は1日何回どのように使いのか
・入浴直後に保湿剤を急いでつけるべきか
・コットンは必要か
・ボディーのスキンケアの大切さ
・保湿剤以外で乾燥しにくい肌のために気をつけること
↓保湿のメカニズムを知ってほしいです。基礎編も読んでね。
乾燥を防ぐ!おすすめの保湿剤の使い方
自分の肌に合ったもの、保湿効果の高いものを使う
理論もいいけど、割と塗ってみないと分からないこともある保湿剤
前回の記事で説明した通り、理論上の最高成分はセラミドです。
でもいくら評判が良くても、理論上良くても、自分に合わないってことはあります。
皮膚の外用薬もそうなんだけど、不思議と相性ってあるんです。
例:塗り薬のAとB
理論上は同じくらいの強さ
似たような効果
なぜかAではほとんど効かなかったのに、Bだと効くってことはあります。
保湿剤でもやっぱり患者さんによって、好みは全然違います。
理論を超えた、相性がスキンケア(美容全体)にはあります。
でも正しく使うと相性がもっとよくなることもあるので、これから紹介する保湿剤の塗り方を試してください。
(ニキビとか湿疹とか病気にまでなったら、エビデンスに沿った治療ファースト。でも美容に関しては研究も少ない。飲むコラーゲンが実は効果があったように、医学的常識が覆されることもある。現段階でのエビデンス・理論・リスクを知りつつも、柔軟な姿勢もとりたいと個人的には思います)
同じ成分でも形が変わると効果は変わる
同じ成分で似たような濃度でも、それを溶かしている物質(基剤)が違うと効果が変わります。
例:ヘパリン類似物質(ヒルドイドとジェネリック)
ヘパリン類似物質をメインとした保湿剤はビーフテンなど様々な薬がでています。
これら全て、保湿力には差があります。
同じ基剤でも、その形状が違うと効果あるが異なります。
例:ヒルドイド
同じヒルドイドでもクリーム、ローション、フォームによって保湿力は違います。
フォームだといまいちだったけど、クリームでは満足できた患者さんもいます。
使いやすさ等もあるので、自分にあった保湿剤を選びましょう。
保湿剤は1日2回以上塗る
顔は1日2回する人がほとんどだと思うますが、体ってお風呂上がりだけという人も意外といるんじゃないかと思います←私がそうw
乾燥しやすいから、もっと頻繁に塗りたいんだけど何回までなら保湿していいの?
保湿剤を1日何回まで塗っていいのか、何回がベストなのかは結論出ていないです。
でも保湿剤を塗る回数が1日1回と2回だと、明らかに2回の方がいいというエビデンスは複数の研究で出ています。
そのため「2回以上」と表現しています。
1日1回超たっぷり塗るのはどうか
1日1回では(一定以上)保湿剤の使用料を増やしても、保湿効果への影響はほぼないです。
もともと少なめに塗っている人が、十分な量ぬれるようになった場合は、もちろん効果が上がります。
ベル先生の保湿の回数への考え
とりあえず1日2回がベース。
でもこのような場合は、もっと頻回に塗ってもいいと思います。
・乾燥している時期・場所
・乾燥しやすい体の部位(特に手など)
実際、皮膚科の外来でも乾燥による湿疹ができている患者さんには、
「ステロイドのお薬は1日2回までね。
こっちの保湿剤は、何回使ってもらってもいいですからね。」
と尊敬する上司の皮膚科医の先生も、説明していました。
入浴直後に慌てて保湿剤を塗る必要はない
そのほうが、保湿力が上がるんでしょ?!
なんとなくイメージ的にはお風呂後にすぐ保湿剤を塗ったほうが、肌の水分量が逃げないイメージですよね。
これに関しては、いくつも研究されてますが、
「保湿剤を入浴直後でもしばらくしてから(1時間とかでも)塗っても、肌の水分量などは変わりなし」
という結果がでています。
ちなみにアトピー性皮膚炎の人も普通の肌の人にも、当てはまります。
確かに入浴直後に保湿剤を塗った方が、直後は潤っている感じがしますが、
1日トータルで見ると、いつ塗っても保湿効果は変わりないです。
とはいえ、入浴直後に塗るのは手軽なので、もちろんその習慣のままでOK.
ただ超慌てて保湿する必要はないので、ゆとりがもてますね。
優しく手で塗る
コットンは必要なし
コットンはどんなに湿らせても、摩擦が避けられないので使わないのがいいです。
要らないものを買わないのは、財布にも、環境にもいいので積極的にやめましょう!
摩擦は老化を早める、バリア機能も低下させる、肝斑というシミも悪化させる、赤ら顔になるなど悪いことしかないです。
↓詳しくはこちらで解説しています
https://drshosho.com/skincare_clensing
パッティングで叩かない
特に化粧水を塗る時ですが、やたら顔を叩いていパッティングしている人いますよね。
「絶対それ痛いよね?!なんで?ドM??」
って思うほど叩いている方もたまに見かけます。
おそらくパッティング女子たちの意見はこんな感じ
なぜ顔を叩くパッティングが肌によくないのか?
・摩擦→炎症、肝斑悪化、バリア機能低下、赤み
・振動によりリガメント(顔の組織を支える柱)が傷つきタルミに繋がる
時間短縮にもなるから叩くのはやめよう。
ゆっくり手でつける
ぶっちゃけ摩擦が少なければ、特に塗り方にルールはありません。
私はこんな風に塗ってます
化粧水→ゆっくり手のひらを使って顔全体を包むようにつける
乳液・美容液・クリームなど→摩擦起こさないように指の腹を使って塗る
手のひらで押し込む感じとかは、まぁ好みだと思うのでご自由にどうぞ!
(浸透力は変わらないけど、幸福感が増す人もいるらしい)
なるべく体全体に塗る
体全体の皮膚に気を配ろう
結構体全体に塗るのって大変。
私も顔、腕、脚、首、デコルテ以外は良く塗り忘れます。
でも本当は全身に保湿剤を塗ってほしい。
保湿剤を塗るのを忘れがちな部分
背中や首裏などの背部←というか塗りにくい
足の甲
お尻
顔と体の見た目年齢がズレると、違和感が出ます。
だから欲を言えば、体も保湿だけじゃなく、アンチエイジング効果のある、ピーリング(ソープ)とかレチノールとか使って欲しい。
ボディクリームもレチノールしようしています。
特に手と首は隠せないので、顔と同じスキンケアをしています。
気がつかないことも多いですが、お尻の黒ずみも(勝負の時に)残念です。
下着がすれたり、ずっと座っていたりする場所だから、結構できやすいですので、気をつけてくださいね。
【ボディーの治療は顔よりも大変!】
・メニューとして扱っている、クリニックが少ない。値段も高め。
・顔より効果が見えるのに、時間がかかる
・強い治療をすると、顔のよりも跡が残りやすい(炎症後色素沈着、凹みなど)
予防が一番楽で、結果もでやすいからがんばりましょう。
新しい保湿剤を使う時は、初めは多め&1週間以上同じものを使う
※保湿剤のようなほぼ刺激のない商品の話をしています。レチノールなどは使い方が異なるのでご注意ください。
まずは1週間つかってから保湿剤の保湿力を判断しよう
初めからコロコロ保湿剤を変える
↓
その成分が力を発揮する濃度まで、上がっていない可能性あり
大体どの保湿剤を用いた実験でも、
1週間ほどまでどんどん肌の水分量が上がる→プラトーに達っする
というデーターが多いです。
もちろん塗った直後は改善して満足したならいいのですが、継続することで本来の効果が得られることが多いです。
1日程度で、
「この商品は保湿力あまりないな」
と判断するのは早いすぎます。
1週間は連続に使用してから判断してくださいね。
・湿疹のような明らかに肌に合わない症状があれば中止
・何回も使っている商品だと、肌の中の濃度もある程度上がっているので、もっと短期でも本来の効果がでる可能性あり
初めは多めに使う
初めは必要量よりもたっぷり使うことで、皮膚の中にたくさん成分を入れる
↓
だんだん皮膚の中のにその成分が溜まってくる
↓
徐々に減らしても、効果が得られる
という理論です。
ぶっちゃけズボラな私はトライしたことはないので、なるほどなと思いながら学ばせてもらいました。
十分な量を使う
“十分な量の保湿剤”の定義って難しいですよね。
皮膚科でよく使うのは1FTUという基準です。
1FTUとは:
人差し指の先から第一関節までチューブに出した量(上の絵より少し多め)
=手のひら2つ分(指含まない)
(ステロイドなど皮膚科のお薬にこそ有効な基準なので、覚えておいてくださいね)
ということで、具体的な目安はこんな感じです。
塗った後に肌がほんのりテカる程度
ティッシュが肌に付着する程度
ベタつくし、意外と必要な量ぬれていない人が多いので気をつけてみてください。
保湿剤以外で乾燥しにくくするのに有効な方法
洗い方に気をつける
洗浄方法は大切
洗い方が適当だと、どんどん皮膚のバリアが壊れます。
いつも使っているものでも、使い方を変えるだけでかなり変ります!
バリア機能弱っている人は、洗浄剤にも気をつけてくださいね。
↓洗い方について詳しくはこちら
https://drshosho.com/skincare_clensing
お湯の温度も大切
お風呂とかシャワーもできればぬるま湯(40℃以下)が肌にいいといくつものデーターで言われています。
そんな人に心からおすすめなのがエプソムソルトっていう入浴剤!
温泉後みたいにポカポカ!
数多くの美容皮膚科・栄養学の先生もおすすめしているのが、
エプソムソルト(硫酸マグネシウム)
ぬるい温度でも温泉後みたいに、体があったまるので大好き。
しかもマグネシウムって、現代人が不足しがちで、実は皮膚からも効率よく吸収できるんです。
ズボラでサプリ飲み忘れまくっている私には最高!エプソムソルトは好きだから、忘れず続けられる。
ぬるま湯嫌いを克服できるので皮膚にもいい
マグネシウムも取れる
血行もよくなり気持ちいい
私が今使っているのはこちら
乾燥した寒い場所を避ける
やっぱり乾燥した場所にいると、肌は乾燥します。
湿度30%を切ると明らかに皮膚や目が乾燥してくると言われています。
常に60%くらいあるのが理想!
私はズボラなので、加湿器を管理する自信がないためないです。使う方はカビとか気をつけてくださいね。
部屋もそんなに広くないので、お風呂の扉を開けっ放しにしています。
気温が低いと、肌が乾燥することも分かっています。
特に皮脂は湿度には影響されですが、温度が低いと低下します。
体の内側から整える
「油を食事から取る量が極端に減ると、肌も乾燥する」
というのは極端なダイエットをしている人に見られます。
↓体の内側からのスキンケアの詳細はこちら
昔は肌の栄養分を口からとっても聞くわけないと言われていましたが、最近は飲むコラーゲンをはじめ、効果ありとたくさんエビデンスもでてきています。
ついに“飲むセラミド”も登場
もちろん塗るセラミドに比べたら効果薄いので、あくまで補助ですね。
効果出るにに時間かかるので、乾燥がひどい人は冬場に向けて今から飲み始めもいいと思います。
少しの乾燥くらいなら、塗る方を頑張ったり、ここに書いてあることを気をつけるだけでいいかな。
まとめ
・保湿剤はエビデンスも大切だけど、自分が使いやすく、肌に合うものを使おう
・保湿剤は1日2回以上塗る
・入浴直後にこだわる必要なし
・コットンはなしで、優しく手で保湿剤を塗る
・体全体を保湿しよう
・はじめは多めに1週間以上同じものを使ってみましょう
・必要な保湿剤は結構多い
・保湿剤以外にも湿度や温度、食べるものなどでも肌は乾燥しにくくなる。